本来は1923年(大正12)9月1日の関東大震災により決済不能に陥った手形のことだが,多くは震災手形割引損失補償令にもとづき,日本銀行が再割引に応じた総額約4億3000万円の手形をさす。このうち26年(昭和元)末には2億円余が焦げつき,半額は台湾銀行分で震災とは関係のない鈴木商店関係の不良手形が相当混入していた。この処理過程で台湾銀行の乱脈融資が暴露され,27年の金融恐慌の原因となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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