賑恤(しんじゅつ)とも。古代において,天皇即位・祥瑞出現などの国家の慶事・大事や疫病流行・飢饉に際して,正税または義倉穀をさいて,稲穀・布・綿・塩などを高齢者,夫や妻を失った者,貧窮者,病人,被災者らに支給する制度。支給の基準があいまいで,また被災者よりも高齢者に手厚いことから,実際の救済効果よりも,むしろこれらの行為によって天皇の徳を強調しようとする,儒教思想の影響下に実施されたものと考えられる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう
この記事が気に入ったらいいね!しよう