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信玄堤(しんげんづつみ)

戦国期,甲斐国の武田信玄が築いた堤防。現在の山梨県甲斐市竜王にある。甲府盆地は釜無川・笛吹川・荒川などの河川が合流し,古くから洪水の被害をうけた。信玄は家督を継ぐと,大規模な治水工事を行った。釜無川・御勅使(みだい)川の合流点は最も洪水がおこりやすいので,御勅使川分水工事を行い,釜無川東岸に堅固な堤防を築き堤防上に竹木を植えて防水林とした。堤防は一直線ではなく,雁行状に重複して配列する霞堤(かすみづつみ)とよばれるもので,急激な大出水にも決壊しない独特の工法であった。これにより近世初頭には多くの新田開発が行われた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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