秦(しん)
中国最初の統一王朝(前221~前207)。もと周とは異なる西方の民族らしいが,前8世紀には周王朝の混乱に乗じて陝西(せんせい)一帯に勢力をのばし,周の洛邑(らくゆう)遷都を決定づけた。以後周王朝の諸侯となり,前324年に王を称し,前221年には全国を統一し皇帝を称した。その過程で東方6国に対抗し官僚制と法体系としての律を整備。これらは以後継承され発展して,唐代に日本にもたらされた。近年出土の秦律や漢律は,その継承発展の過程を具体的に明らかにする。始皇帝の命により徐福(じょふく)らが仙薬を求めた話は徐福東渡の伝説をうみ,日本にも熊野や佐賀などに伝承されている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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