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如拙(じょせつ)

生没年不詳。南北朝期~室町中期の画僧。道号は大巧(たいこう)。絶海中津(ぜっかいちゅうしん)が「老子」の「大巧は拙なるが如し」にちなんで名づけた。伝記は不明の点が多く,正規の禅僧かどうかも疑わしい。夢窓疎石(むそうそせき)の碑銘建立に参与したこと,足利義持の命で「瓢鮎図(ひょうねんず)」(国宝)を描いたことなどが知られ,足利将軍家と密接な関係をもち,相国寺にいたことはほぼ確実。雪舟(せっしゅう)により祖と仰がれ,狩野派などによって日本の漢画の祖としての地位を与えられた。「瓢鮎図」「王羲之(おうぎし)書扇図」(重文)は,将軍家所蔵の中国南宋の絵画の名品を参考にして描かれた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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