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織豊政権(しょくほうせいけん)

織田信長,ついで豊臣秀吉による全国的な武家政権。1573年(天正元)の室町幕府滅亡から1603年(慶長8)の江戸開府までの約30年間,中世から近世への大きな社会変革を推進した。信長の統治圏は北陸・東海から東中国にとどまったが,秀吉は四国・九州・関東・奥羽を平定して全国統一を完成した。両政権を一括して捉えうるか否かは議論がわかれる。織田政権は,一向一揆を徹底的に弾圧して集権的権力を確立し,楽市・楽座制や関所の撤廃などにより,広域的な流通支配をめざしたが,その本質については,結局戦国大名的なものから脱却できなかったとみる見解と,近世的な統一政権へ脱却したとみる見解がある。豊臣政権は,天下統一を完成し,さらにその武力への自負から明の征服を企て,朝鮮出兵を行った。秀吉が全国的に行った太閤検地と刀狩によって,耕作する農民は土地への権利を強めるとともにその地に緊縛され,武士は石高知行制により統一的な軍役を賦課されるとともに転封によって在地から切り離された。これらの政策により,荘園制は最終的に解体し,兵農分離が確立されて,近世幕藩体制社会の基礎がつくられた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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