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将門記(しょうもんき)

「まさかどき」とも。平将門(まさかど)の乱の推移を内容とする軍記物の嚆矢。作者未詳。成立時については乱が終息した940年(天慶3)直後とみる説と,かなりのちに作られたとみる説とにわかれる。将門が一族の内部争いから国衙支配に対抗する闘争を行い,ついには朝廷にはむかい,最後は平貞盛と藤原秀郷(ひでさと)の軍勢に滅ぼされるまでを克明に描写している。東国で乱を目撃していたと思われる人物により作成された実録と太政官で作られた官符などの公的資料とを駆使しており,平将門の乱に関する最も重要な史料となっている。伝本に真福寺本と楊守敬本とがあるが,いずれも巻首を欠く。ほかに略本が伝えられている。「群書類従」「日本思想大系」「東洋文庫」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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