正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)
道元(どうげん)の法語集で,曹洞宗の根本経典。87巻,また95巻とも。成立事情を異にし,巻数の異なる4系統の伝本がある。95巻本は永平寺35世板橈晃全(ばんどうこうぜん)が1690年(元禄3)頃に編集。1231年(寛喜3)の「弁道話」から53年(建長5)の「八大人覚」まで23年間の説示を収録。道元には南宋の大慧宗杲(だいえそうこう)の公案(こうあん)集「正法眼蔵」をうけ,35年(嘉禎元)に撰述した漢文体の「真字正法眼蔵」(「三百則」とも)の公案集がある。これを基に展開したのが和文体の仮名法語「正法眼蔵」。永平寺50世玄透即中(げんとうそくちゅう)により1795年(寛政7)開版,1816年(文化13)刊本が本山版「正法眼蔵」として流布した。「岩波文庫」「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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