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障壁画(しょうへきが)

建築に付属する障子絵(襖絵など)と壁貼付絵を一つにした呼称。天井画や杉戸絵も含まれる。杉戸絵以外はみな紙に描いた貼付絵である。古代以来,寝殿造や書院造の発展とともに,大画面の建築装飾画として優れた展開をみせたが,安土桃山時代にその黄金時代を迎えた。安土城をはじめとする城郭建築には,城主の権威を象徴すべき豪壮華麗な障壁画,特に金碧(きんぺき)障壁画が必要不可欠であったこと,やがてその様式がこの時代に多く建立された大規模な寺院建築に適用されたことによる。視覚的要素の優れた花鳥画が喜ばれる一方,中世的要素の強い山水画は副次的画題に後退し,狩野派をはじめ,長谷川派・海北(かいほう)派・雲谷(うんこく)派など諸画派に天才的画家が多く出現して覇を競いあった。江戸時代に入り新たにおこった琳派・南画・円山四条派・奇想派などの画家も,それぞれ個性的障壁画を制作,その伝統は現代にまで生きている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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