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上分(じょうぶん)

中世,神仏に上納した貢進物。また年貢のこと。平安初期から史料に「地利(ちり)上分」「供祭(くさい)上分」などとみえ,本来は,神仏への貢進物をさした。平安後期以後,荘園制が形成されるなかで,諸寺社は所領からの収取物を上分と称することによって,みずからの年貢収取権を宗教的に権威づけた。そのため上分はしだいに年貢そのもののことと考えられるようになり,鎌倉後期頃からは,寺社に納めるものにかぎらず,年貢一般をさすようになった。この場合,しばしば土地を意味する下地(したじ)の対語として用いられた。日吉神人(ひえじにん)のように,神仏への上分を元手に利殖行為を行う者もあった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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