正徳の治(しょうとくのち)
江戸中期,6代将軍徳川家宣・7代同家継の頃(宝永~正徳期)の幕府政治。側用人間部詮房(まなべあきふさ)・儒者新井白石(はくせき)らが主導した。主要な政策は,武家諸法度の改訂,朝幕関係の改善,幕領支配の刷新,通貨制度の立て直し,貿易制度の改革(正徳長崎新例),朝鮮使節に対する待遇の簡素化と称号問題の処理など。正徳長崎新例のように,その後の対外貿易のあり方を規定する政策がみられる反面,通貨政策のように儒学的理想主義を重視するあまり現実の状況に対応しきれず,むしろ混乱を招いたものもあった。かつては最も文治的な政治が具現した時代として「正徳の治」と称されたが,近年ではあまり使われなくなっている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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