正徳長崎新例(しょうとくながさきしんれい)
正徳新例・長崎新例・海舶互市新例とも。1715年(正徳5)幕府が出した長崎貿易に関する法令。新井白石(はくせき)と長崎奉行大岡清相(きよすけ)が中心となり立案・遂行した。銀・銅の産出能力にみあった輸出額と貿易船数を設定し,中国船・オランダ船にこの数値を確実に守らせ,その結果生じた積戻りの不満を代物替(しろものがえ)(物々交換)で緩和した。また一方で長崎町民に対して貿易出来高にかかわらず配分銀や飯米を保証する体制を整備した。統制の難しい中国船には,貿易制限順守を約束した船に通事名の信牌(しんぱい)を与えた。貿易総額制限と長崎市中安定の両立に一定の効果をあげ,以後,長崎貿易は基本的にこの手法にそって行われた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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