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小乗仏教(しょうじょうぶっきょう)

サンスクリットのヒーナヤーナの訳語。小さな乗り物の意で大乗仏教の側からの貶称(へんしょう)。釈尊入滅後100年の頃,教団は上座部と大衆部にわかれ,両派はさらに分裂を続けて,紀元前1世紀までに20ほどの分派が生じ部派仏教が成立した。阿含(あごん)経,四分律(しぶんりつ)・五分律などの律典,倶舎論(くしゃろん)・婆沙論(ばしゃろん)などの論書を経論とし,自己の解脱(げだつ)を求めることを特色とした。小乗の信奉者は声聞(しょうもん)・縁覚(えんがく)などとよばれたが,自利・利他ともに掲げる大乗菩薩道の立場からは宗教的に劣位にあるものとみなされた。タイ,ミャンマー,スリランカなどの東南アジアに広まった。日本には鑑真が四分律にもとづく戒律を伝えた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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