商業資本(しょうぎょうしほん)
資本主義において,産業資本の流通過程を代行する資本。商業資本自体としては価値を生産しないが,産業資本の流通期間を短縮し,流通上の費用を節約する点に利潤獲得の根拠をもつ。資本主義以前にも商業を営む資本は存在するが,地域間の価格差など,むしろ商品経済の未成熟がその利潤の前提となっていた。後者のような資本を,特定の生産様式に対応しない無性格なものとする立場からは商人資本とよび,古い生産様式に寄生するものとする立場からは前期的資本とよぶ。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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