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巡礼(じゅんれい)

順礼とも。宗教上の目的から聖地・霊場あるいは本尊を一定の巡路で参詣すること,またはその人。巡礼の語は平安初期に入唐して密教を学んできた円仁(えんにん)の日記「入唐求法巡礼行記(にっとうぐほうじゅんれいこうき)」を創始の一つとし,名山や霊寺あるいは一山内を巡礼し,その結果えられる護持力が一般に認められたことで,しだいに僧侶の間で盛んとなった。熊野や吉野金峰山などの霊地での頭陀(ずだ)の行脚が古いかたちであった。平安末期の南都七大寺巡礼などは整ったかたちの巡礼としては最古の例。笈(おい)を背負い,錫杖(しゃくじょう)をもった白衣の遊行姿は早くからのかたちで,のちしだいに整えられた。観音の霊場巡りとしては西国巡礼が早く,中世以降各地に同様の巡礼地がうまれた。近世以降は浄土真宗の二十四輩詣など各宗派内部の巡礼も盛んとなる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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