宿役人(しゅくやくにん)
近世の宿駅の交通関係を扱う役人。宿役人の長は問屋場をあずかる問屋だが,その下に問屋を補佐する年寄がおり,下役人の帳付・馬指・人足指は,人馬継立てその他の宿駅関係実務を行う。宿駅の町村には地方・町方関係の役人がいるが,宿駅関係は別に宿役人が設けられた。問屋・年寄に,地方役人の名主を加え宿三役とよぶこともあるが,宿役人と地方役人は重複することが多い。近世前期の東海道では,宿駅業務に地方役人もかかわったが,交通増加に対応して,1665年(寛文5)問屋給米が毎年下付され,問屋の増加などにより地方役人と宿役人の分離も進められ,問屋の宿役人化がはかられた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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