重要産業統制法(じゅうようさんぎょうとうせいほう)
昭和恐慌下の競争激化を背景に商工省臨時産業合理局の主導で制定された産業組織立法。正式名称は「重要産業ノ統制ニ関スル法律」。1931年(昭和6)4月公布。加盟者およびアウトサイダーに対し協定への服従を命じる助成規定と,関連産業・消費者に不利益を及ぼす協定の変更・取消しを命じる公益規定からなる。立案時には恐慌対策の面が強かったが,景気回復とともに公益規制の重要性が増した。実際に発動した例は34年のセメント業のみだったが,同法を背景とした行政指導によってカルテルの設立・維持を助成する一方,その価格政策を適正な方向に誘導した。36年5月,トラストを適用対象に追加するなど内容を強化して施行期間を5年延長したが,第2次大戦時の経済統制の進展によりその使命を終えた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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