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11月事件(じゅういちがつじけん)

士官学校事件とも。1934年(昭和9)11月20日,皇道派の青年将校がクーデタを計画しているとして逮捕された事件。村中孝次大尉(陸大学生),磯部浅一(あさいち)1等主計(野砲兵第1連隊付),片岡太郎中尉(陸士予科区隊長)が5・15事件の規模のクーデタを計画しているとして憲兵隊に逮捕され,軍法会議の取調べをうけた。ほかに陸軍士官学校の生徒5人,第1師団の尉官級将校数人も逮捕。軍法会議は翌35年3月27日,証拠不十分として不起訴とした。事件は陸士本科中隊長辻政信大尉の捏造(ねつぞう)であり,皇道派の弾圧と陸士を監督する真崎甚三郎教育総監の責任問題をひきおこすことにあった。村中・磯部は辻と片倉衷(ただし)少佐を誣告罪で軍法会議に訴え,同年7月11日付で「粛軍に関する意見書」を陸軍の幹部などに配布した。これにより2人は免官となる。相沢事件の直接のきっかけとなり,真崎教育総監罷免問題から2・26事件へとつながっていった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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