朱印船(しゅいんせん)
近世初期,海外渡航許可の朱印状を携えて南方貿易に従事した商船。徳川家康は南方諸国に,朱印状(異国渡海朱印状)を携帯する商船に対する保護・便宜を要請し,活発な海外貿易を推進した。豊臣秀吉も南方渡航船に朱印状を交付したとする記録もあるが現存しない。朱印船は小は70~80トン,大は700トンで,中国式のジャンクを基本に,西欧のガレオン船と日本の伝統的技術を加えた日本前型とよばれる折衷形式の船体構造。当時社寺に奉納された朱印船の絵馬数点が現存し,その船型・構造・帆装を知ることができる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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