尺貫法(しゃっかんほう)
日本独自の計量単位系。また計量方法など計量にかかわる古来の習慣も含めていうことがある。尺は長さの単位で,十進法で毛・厘・分・寸・尺・丈と進み,6尺が1間,60間が1町,36町が1里。貫は重さの単位で,毛・厘・分・匁と進み,1貫は1000匁,1斤は160匁。明治政府は1875年(明治8)尺枡秤三器取締規則・度量衡取締条例・度量衡検査規則を公布した。これにより度量衡の製作・売り捌きには官許が必要となり,従来所持の度量衡器も検査をうけることになった。このとき,享保尺と又四郎尺を折衷した折衷尺を曲尺(かねじゃく)とし,曲尺1尺2寸5分を鯨尺(くじらじゃく)の1尺と定め,曲尺・鯨尺以外の名称を禁じた。斗量は従来どおり曲尺6万4823立方分を1升とし,重量も従来どおりとしたが,岩倉使節団が持ち帰ったフランスの原器を用いて,1匁を3.756721gと規定した。尺貫法は91年,メートル法に対応する度量衡法によって確定されたが,経済の国際化などにともない1951年(昭和26)に計量法が制定され,58年末までに一部の例外を除いて廃止された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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