実物や実景を直接写した絵。日本では,物に即して形を写す写生行為そのものは,画家の意識の有無にかかわらず古くからあったが,とくに重要視されるようになるのは江戸時代の円山応挙(まるやまおうきょ)からで,花鳥図を中心に多くの写生帖が残る。それらは写生風の絵画を描くための下地であったが,それ自体がすぐれた芸術作品である。幕末期には多くの画家が,従来の真景図(しんけいず)とも異なる写生画を描くに至る。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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