尺八(しゃくはち)
管楽器。竹製。語源は7世紀半ばに唐で用いられた一尺八寸管の縦笛に由来。現在は竹製でリードのない縦笛にこの名をあてるが,日本に伝来した尺八の類には,奈良時代の古代尺八,中世末期の一節切(ひとよぎり),16世紀後半に薩摩武士の間で流行したという天吹(てん)(ぷく),江戸時代に普化(ふけ)宗の虚無僧(こむそう)が修行のために演奏した普化尺八,大正・昭和期に洋楽的発想のもとに考案された7孔と9孔の多孔尺八などがある。現在一般に尺八といえば普化尺八をさし,琴古流,都山流の両尺八がこの系統をひく。普化尺八は前面4孔背面1孔で,両手中指は楽器を支えるために使い,両手人差し指と薬指,左手親指で穴を開閉し演奏する。自由リズムの独奏曲を本曲,箏(そう)や三味線と三曲で演奏される拍節的な曲を外曲とよぶ。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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