仏典を書写する行為,また書写されたもの。書写した仏典を保有し修行・読誦(どくじゅ)・講究などのために用いる実用面と,写経そのものが功徳であるとする信仰面の2面がある。日本では,673年(天武2)川原寺で一切経を書写したのが文献上の初見。奈良時代には,官設のほか東大寺などの主要寺院に写経所がおかれ,写経生により大がかりな写経が盛んに行われた。平安時代以降も信仰としての写経は継続された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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