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謝恩使(しゃおんし)

琉球国王が徳川将軍に襲封の恩を感謝する使者。1634年(寛永11)尚豊(しょうほう)王の謝恩使の名目で年頭使として派遣された金武(きん)王子朝貞(ちょうてい)が将軍家光に謁見したのに始まる。44年(正保元)には国頭(くにがみ)王子正則(せいそく)らが派遣され,江戸で家光に謁見した後,日光霊廟にも参拝。これは琉球が江戸幕府の東照宮祭祀という国家的儀礼に組み込まれたことを意味する。以後1850年(嘉永3)の尚泰(しょうたい)王にいたるまで,10回実施された。名称は文書の上では恩謝使・継目御礼の使者とも表記する。慶賀使派遣とともに,将軍の権威を高めると同時に島津氏の琉球支配を補強することを目的とした。琉球の王位継承者の決定権は島津氏が握り,謝恩使の拝謁をへて幕府が王位継承を最終的に承認するという政治構造である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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