除目(じもく)
除書(じょしょ)とも。官職への補任者を決める政務。本来は旧官をのぞき新官に任じる目録の意で,具体的には任官簿(召名(めしな))のことであるが,転じて任官選考の議をさすようになった。春の県召(あがためし)除目,秋の司召(つかさめし)除目(京官除目)のほか,臨時除目や女官除目などがあり,それぞれ政務形態を異にしていた。選叙令によれば官人の選考には徳行・才用・労効が基準となったが,9~10世紀に年労・年給・成功(じょうごう)などによる補任が制度化され,中世に続く複雑な除目議の次第と作法が整えられていった。一方この頃から貴族官人層の昇進コースが形成され,官職による得分の格差も大きくなったため,どのような官職につくかが重要な問題となり,県召除目はとくに人々の注目を集めるようになった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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