支払猶予令(しはらいゆうよれい)
モラトリアムとも。信用不安の突発に際し,政府が預金などの債務支払いを一定期間猶予させる命令。世界的にはアメリカで1933年3月の金融恐慌に際し,F.ローズベルト大統領が4日間の銀行休業を命令した例が有名。日本では23年(大正12)9月1日に発生した関東大震災にともない,山本内閣が震災当日から30日間の支払猶予を緊急勅令として発令。つづいて27年(昭和2)3月の金融恐慌の勃発による銀行取付の波及に対し,田中義一内閣が4月22日に3週間の支払猶予令を発動し,全国の銀行も同日から2日間休業した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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