司馬江漢(しばこうかん)
生没 1747~1818.10.21 江戸中・後期の洋風画家。江戸生れ。本姓安藤氏。明和・安永年間を中心に狩野派・南蘋(なんぴん)派・浮世絵派などの多様な画法を習得した後,写実的な表現への指向を明確にする。1783年(天明3)日本最初の腐食銅版画(エッチング)の制作に成功。寛政年間以降,油彩画の制作が盛んになり,西洋画の模写をへて,油彩画の技法による日本風景画を完成した。天文学・地理学など西洋の学問への強い関心を示したが,晩年の言動には老荘思想の影響が色濃く,絵画制作にも東洋への回帰が認められる。代表作「三囲景図(みめぐりけいず)」「相州鎌倉七里浜図」,著書「西洋画談」「和蘭天説」「西遊(さいゆう)日記」「春波楼(しゅんぱろう)筆記」。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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