正式の手続きをへた官の認許をえることなく,僧としての生活を送る者のこと。律令制下では僧尼は租税免除や刑罰軽減などの特権をもったため,出家を希望する者が続出したが,政府はきびしい得度(とくど)の規定を設けることで僧尼を管理した。僧尼令のなかにも私度を厳禁する条項が盛りこまれた。しかし重い税負担に苦しむ農民のなかには,許可なく出家して僧尼となる者が跡を絶たず,律令制下の身分秩序を混乱させる要因の一つとなった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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