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質地騒動(しっちそうどう)

1722年(享保7)に幕府が公布した質流地禁止令をきっかけにおきた騒動。同年,越後国頸城(くびき)郡幕領では百姓が質地取戻しを地主に要求(越後質地騒動・頸城質地騒動)し,翌年出羽国村山郡幕領長瀞(ながとろ)村では,この法令を利用して百姓が質地証文などを奪いとる事件(長瀞質地騒動)がおきた。頸城地方では流地となった田地の耕作や地主に質地返還を要求する事件が各地で発生。幕府評定所に地主・質入人双方が出訴したが,質入人側の敗訴となった。長瀞村では,380人余が「一身(味)神水」し,金主46人から320通の証文類を奪うなどした。23年8月,幕府は法令を撤回したが,24年春,頸城地方で騒動が再燃したため,当地方33万石余を高田藩など5藩に預けた。長瀞質地騒動では磔2人・獄門4人・死罪2人・遠島9人など,越後質地騒動では磔7人・獄門11人・死罪12人などのきびしい処分が下された。法令の撤回は質地小作化をいっそう進行させた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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