往来物の一つ。平安後期に起源をもち,近世まで使われた道徳教科書。作者不詳。5字1句,96句で構成。内容は児童にむけた学問のすすめ。智と財を対比させ,智を財をこえる無限の価値として強調し,その智を得るため学問に励むべきことをさとす。平安後期以後の貴族・寺社での道徳教育の実態を知る好史料であり,中世から近世に及ぶ同書の膨大な注釈書は,その道徳観の社会的拡大と歴史的発展をたどる好素材である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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