志筑忠雄(しづきただお)
生没 1760~1806.7.8/9 江戸中期の天文学者・蘭学者。本姓中野。名は盈長・忠次郎,のち忠雄。号は柳圃。字は季飛・季竜。長崎生れ。1776年(安永5)義父のオランダ通詞(つうじ)志筑孫次郎の跡を継いで稽古通詞となるが,翌年,病身を理由に辞職。中野姓に復し,蘭書の翻訳・研究に励む。主著「暦象新書」では,ニュートン,ケプラーの諸法則や地動説を紹介し,弾力・重力・求心力・遠心力・加速などの術語の訳出を行うほか,独自の展開をもみせている。オランダ語学・文法研究では「助字考」「和蘭詞品考」を著す。またケンペルの「日本誌」から「鎖国論」を抄訳するなど,思想家としても高く評価される。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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