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氏族制度(しぞくせいど)

父系もしくは母系的に親子関係の連鎖を通して特定の祖先につながることを認知した親族集団を氏族といい,この氏族を基盤にした社会制度を氏族制度という。祖先との系譜関係を明確に認知した親族集団であるリニッジで構成されている場合がある。クランの訳語であるが,日本古代の氏族(うじぞく)制度とは相違する。日本古代の氏は,5~6世紀に大和朝廷に政治的に組織された首長層の体制であり,始祖からの一系系譜にもとづく組織で,父系に傾斜しているが母系も混入しており,父系的単系出自集団ではなく,成員も流動的で族外婚規制もともなわない。したがってクランやリニッジなどの氏族制度ではない。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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