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私小説(ししょうせつ)

「わたくししょうせつ」とも。主人公兼語り手が作者自身で,語られる内容も作者の実体験の再現であると,作者・読者双方に了解されているような小説形式。1920年(大正9)頃このタイプの一人称小説が文壇で「私は小説」などとよばれたことに由来する。日本独特の文学形式で,長い間純文学の主流とみなされる一方,克服されるべき形式として議論の対象となってきた。代表的作品として志賀直哉「城の崎にて」,葛西善蔵「子をつれて」など。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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