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地子(じし)

近代以前に土地から収取された年貢などをいう。(1)古代では公田の賃借料をさし,平安時代の荘園公領体制においては,田堵(たと)が請作(うけさく)の代償として納める義務を負った。(2)平安末~鎌倉時代の名田体制下では,名田から収取される年貢・公事(くじ)以外の収取物を地子と総称したが,畠地子・屋地子など田以外の土地である畠・屋敷地からの収取物をさす場合もあった。平安末期以降,土地に対する権利の重層化・細分化が進展するにつれ,領主と作人の間に多様な中間得分が発生した。名主が集積したこれらの得分は加地子とよばれ,本来の領主の得分を本地子・定地子とよぶようになる。(3)中世末以降,都市域において宅地(町屋敷)に賦課される年貢(敷地年貢)を屋地子,地子とよぶようになり,近世ではほぼこの用法に限定された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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