地下(じげ)
朝廷官人の身分呼称の一つ。殿上人に対し,清涼殿への昇殿を許されない階層の官人の総称。位階が六位以下の者および四・五位で昇殿資格のない者(地下の諸大夫)や,その資格を剥奪された者。ただし蔵人(くろうど)は例外で,六位でも昇殿できた。中世に公家の家格が確定し地下の家柄が固定すると,その家格の者が昇進して公卿となっても昇殿できなかった。これを地下の上達部(かんだちめ)とよぶ。近世,地下の官人は外記方・官方・蔵人方に分属し,それぞれ上首の押小路・壬生・平田の3家に統轄された。朝廷の官人以外の者を地下・地下人ということもあり,中世には名主・百姓などの一般庶民階層の総称となった。地下人の居住地,京都などに対する地方や在地も地下といった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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