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地方(じかた)

江戸時代,町方に対して村方・田舎(いなか)をいう語。室町時代には京都の諸屋敷地,およびその訴訟を担当する職名だったが,江戸時代には村方・田舎の意となり,さらに土地制度・租税制度など農政一般をもさすようになった。大名から家臣に土地が授給される知行形態を地方知行,農民支配を担当する役人を地方役人,農民支配にたけた役人を地方巧者,村方で作成された公用文書を地方文書などという。また「地方凡例録」「地方落穂集」「民間省要」など農政一般について記された地方書が江戸中期以降多く著されるようになった。地方が農政一般をさす語として広く使われるようになったのは18世紀以降と思われる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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