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紫衣事件(しえじけん)

江戸前期,幕府の宗教統制に抵抗した京都の禅僧が配流された事件。1613年(慶長18)の勅許紫衣法度以来,幕府は宗教統制を本格化したが,朝廷がなお幕府に許可なく紫衣着用の勅許を続行したため,27年(寛永4)紫衣勅許の取消しを含む5カ条の制禁を発布。大徳・妙心両寺で強硬な反対がおこり,翌年沢庵宗彭(たくあんそうほう)らが京都所司代に抗議書を提出。その後幕府が妥協策をとって大勢は収まったが,沢庵らは承服せず,29年抗議のため江戸へ下向。幕府は妙心寺の東源慧等・単伝士印(たんでんしいん),大徳寺の沢庵・玉室宗珀(ぎょくしつそうはく)を陸奥・出羽の両国へ配流した。この事件は後水尾(ごみずのお)天皇の譲位に多大の影響を与えた。なお41年幕府は紫衣勅許の制限を緩和した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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