死(し)
死罪・死刑とも。律の五罪のうち最も重いもの。絞(こう)・斬(ざん)の2等があり,絞は軽く斬は重い。死罪の執行は,毎年秋分から次の立春までの間に,都の官市で行われることになっていた。ただし,五位以上または皇親が悪逆以外の罪で死罪となった場合は,その家で自殺することが許された。その執行例をみると,奈良時代から死罪を1等減じて流罪としたことがみえ,818年(弘仁9)には盗犯の死罪を禁止するなど,刑を軽減する傾向がみえはじめる。810年,薬子(くすこ)の変で藤原仲成(なかなり)を死罪に処したのを最後に,1156年(保元元)の保元の乱に至るまで347年間にわたり死罪の執行は行われていない。その間,死罪の判決がでた場合も,別勅により1等減じて流罪とすることが慣例とされていた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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