尊卑分脈(そんぴぶんみゃく)
藤原氏・橘氏・源氏・平氏その他の諸氏の系図集。10巻。南北朝後期,洞院公定(とういんきんさだ)編。のちの手も多く加わって,室町時代以降の系図も収録されたが,当初存在した帝皇系図や諸道系図は失われるなど,原形は不明な点が多い。原題は「新編纂図本朝尊卑分脈系譜雑類要集」。各巻ごとに,本文の前に目録や略系図などをおくのがもとの形態とされる。伝本による差異も大きいが,「新訂増補国史大系」に,林家訂正本を底本として諸本・諸記録で校訂・収録され,利用に便利。成立時期がおよそ明らかな点,網羅的に収録して注記などの情報が豊富な点で,系図集として最も史料的価値が高く,とくに藤原氏の部分が貴重。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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