薗(その)

家地・宅地に隣接した菜園の一般的名称。律令制下では園地と称した。平安後期に農民の薗は公畠として課税対象地化し,薗・園地の名称も使用されなくなるが,水田開発のおくれた九州では,中世においても蔬菜や五穀,桑・藍・茜などを栽培する地を中心に,住民や屋敷を含めた在家的な,在地領主の支配単位をさす用語として薗が使用された。中世後期には門(かど)という単位に昇格していった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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