草莽(そうもう)
本義である草むら・藪の意から,仕官せず民間にある者をさすが,体制の危機に際して在野から出て危機打開の活動をすることが期待された。18世紀末から草莽に仮託した政治的建言がされるようになり,幕末期には尊王論と結びつき政治論としての草莽崛起(くっき)論を生み,志士の輩出につながった。政治的には処士横議(しょしおうぎ)や天誅(てんちゅう)に奔走し尊王攘夷運動を高揚させたが,明治維新の政争に敗れた。のち天皇制への忠誠心の手本として国家から称揚された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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