惣年寄(そうとしより)
近世都市の町方全体を統轄する惣町レベルの町役人の名称の一つ。大坂には三郷惣年寄がおかれ,これは江戸の町(まち)年寄に相当した。備前国岡山では総年寄とも書き,定員3人で城下62町を上組・中組・下組にわけて1人1組ずつ分担して町政を行った。彼らは藩の評定所で任命され,10人扶持を与えられた。土佐国高知では,有力町人から2人ないし3人が任命されて世襲で町方支配を担当し,5人扶持を与えられた。なお惣町レベルの町役人の名称としては,ほかに伊予国松山の大年寄などがある。松山の大年寄は元禄~宝永期には4人で,月交代で惣町の会所に出勤して町政全般を担当した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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