装飾経(そうしょくきょう)
荘厳経(しょうごんきょう)とも。仏教経典の表紙・見返し・本文料紙・本文・軸首・紐などに特別な装飾を施したもの。表紙には紺紙や金銀泥模様・金銀切箔などを散らし,見返しには金銀泥・絵具などで仏画・経意絵・来迎図などを描いたものがある。本文料紙には紫紙・紺紙に金銀泥・絵具などで蝶鳥の下絵を描き,界線を金・銀・朱・緑などでひき,界線中に宝塔・蓮台などを描いたものがある。本文は金・銀泥,金銀泥交書で書写したものがあり,軸首には紫檀や玉石・牙などを用い,金銀泥・漆塗・蒔絵・螺鈿(らでん)・透彫金具などを施している。平安後期から鎌倉前期にかけて最盛期を迎えた。「久能寺経」「平家納経」「扇面古写経」などがある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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