蘇(そ)
乳製品の一種。平城宮跡出土木簡(もっかん)に近江国の「生蘇(なまそ)三合」が確認されており,奈良時代には貴族を中心に摂取されていた。「延喜式」に記される製法によると,乳1斗を煮つめて蘇1升をえるとある。また諸国貢蘇番次が定められており,平安時代には46カ国から献上され,内蔵寮(くらりょう)が管掌した。大臣大饗(だいじんだいきょう)などの儀式にも用いられ,蘇甘栗使(そあまぐりのつかい)が派遣されて下賜されたが,中世には姿を消した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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