段銭(たんせん)
中世後期,荘園・公領をとわず一国平均に田地1段別に賦課された公事(くじ)。院政期に成立した一国平均役は,鎌倉時代までは米を徴収する段米が一般的であった。賦課対象は大田文(おおたぶみ)記載の公田であった。即位・大嘗会・内裏造営などの朝廷行事,伊勢神宮造営などの寺社行事,15世紀半ば頃からは将軍拝賀などの室町幕府行事の費用にあてられた。段銭の催徴・免除権が朝廷から幕府に移るのは康暦年間頃とされ,以後応永年間を通じて段銭奉行の設置など段銭徴収制度が整い,幕府に納銭された。15世紀半ば以降,徴収を担ってきた守護による段銭の守護請がみられるようになり,守護の私段銭の賦課とともに,幕府による公田段銭賦課体制は弱体化する。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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