太良荘(たらのしょう)
若狭国遠敷(おにゅう)郡にあった東寺領荘園。荘域は福井県小浜市付近。国衙領の太良保として平安末期に成立。1216年(建保4)までには歓喜寿院(七条院の建立)を本家とする太良荘となる。21年(承久3)官宣旨で歓喜寿院領として公認。承久の乱後に国衙領となるが,のち荘号を回復し,領家職の一部は仁和寺御室道深(どうしん)に譲られた。40年(仁治元)には道深が東寺に寄進,本家歓喜寿院の東寺領太良荘が成立した。東寺は現地に預所代定宴(じょうえん)を派遣し荘園経営に着手,地頭代の罷免を勝ちとった。建武新政期に後醍醐天皇が地頭職を東寺に寄進,領家職とあわせて東寺の一円支配が実現した。14世紀末から守護が支配する半済(はんぜい)方と寺家支配の領家方にわかれた。応仁の乱後,東寺の支配は有名無実化した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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