陀羅尼(だらに)
サンスクリットのダーラニの音訳。総持(そうじ)と漢訳する。仏教で用いる呪文の一種で,本来はみずからの修行のためのものだが,他者のための加持祈祷の際にもよく用いる。本来は視・聴・嗅・味・触の五感を整え,精神統一して法を心にとどめて忘れないこと,すぐれた記憶力という意味をもつ。同じ呪文の真言(しんごん)や明呪(みょうじゅ)にくらべて比較的長く,「ノウマクサマンダボダナウ」に始まり,諸々の仏神を連ねて祈願をし,「ソワカ」で結ぶ形式をとることが多い。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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