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煙草(たばこ)

ナス科の1年草。原産地は南アメリカのボリビアとアルゼンチンの国境地域。「新大陸発見」とともに16世紀初頭,スペイン人によって西ヨーロッパに伝えられた。はじめは鑑賞用として栽培されたが,喫煙の風習の広がりによって作付が拡大した。葉はニコチンを大量に含み,乾燥して発酵させ,刻んで喫煙の料とした。日本へはスペイン人によって近世初頭に種子がもたらされ,短期間のうちに各地に栽培が普及した。幕府は再三喫煙と作付を禁止したが,やがて嗜好品を代表する商品作物となった。元禄期には栽培法の改良がすすみ,薩摩国国分・丹波国大野などの名産地が形成された。近代では煙草専売制が実施された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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