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竪穴式石室(たてあなしきせきしつ)

古墳の埋葬施設の一つ。木棺や石棺を保護するため,安置した棺の周囲に石を積んで四壁を造り,天井石(てんじょういし)を横架するが,天井は石ではなく木材の場合もある。日本では古墳の墳頂部平坦面にうがたれた土壙(どこう)内に営まれる。おもに前・中期の古墳にみられ,後期には横穴式石室にとってかわられるが,一部では後期にも使用される。前期古墳では,竪穴式石室の構築自体が埋葬行為そのものであって,横穴式石室のように埋葬に先行して造られたものではない。しかし中期になると竪穴式石室を先に営造し,のちに棺を埋葬するものも現れる。構造上,原則として単独葬である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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