館(たち)
(1)「たて・やかた」とも。古代では政庁や公的な官舎をさした。平安中期以降各地に勢力をもった武士の日常拠点。(2)「たて」とも。屋形とも。鎌倉時代以降の武士の居館。虎口(こぐち)には櫓門(やぐらもん)を備え,塀や柵・築地で守られたが,13世紀以降堀と土塁を巡らしたものへ発達。室町時代には守護の拠点として1辺200mにも及ぶものが広く出現。戦国期には大名から村落領主まで重層的に形成され,それぞれ内部の空間構成に違いがあった。(3)「たて」とも。東北地方の中世城館の一般的名称。いくつかの館が集合し,一つの拠点的な城郭を造るのが特色。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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